甘さとスッぱさと ... 素肌にシャツを着て50
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素肌にシャツを着て50
2016-09-22-Thu
「じゃん♪」

ドヤ顔のことみが左手を見せてくる。

「えっ、ってことは?」

「ふっふっふっふー」

「ことみいつの間に~?」

実はねーとことみは幸せそうな顔で語りだした。つくしもつられて笑みになる。

プロポーズの詳細を語ることみ。あんなに緊張している彼を見るのは初めてとか、あまりの緊張ぶりにプロポーズだと分かってしまったとか。ことみの話につくしも笑いが大きくなる。

しかし、彼との馴れ初めを聞いてつくしの表情も変わってくる。

ことみは大学の頃から付き合っていて、その彼を追って会社に入り、結婚を考えて一足先に退職したのだと。

「それって・・」

「うん。彼は道明寺ホールディングス本社勤務なんだ。」

「一足先に退職って何故?」

ことみは道明寺ホールディングスに起きたことを話し始めた。数年前専務の司が宮守商事の令嬢と結婚した。宮守商事は池谷常務と強いパイプがあり、社内では司が池谷派を選んだと池谷派は勝利に沸いた。しかし、川口派をはじめ納得いかない者は多かった。水面下で司は川口派の大多数を引き込んでいたのだ。

ことみの彼も川口派だった。ことみの彼は司の引き抜きに入ってなかったが、同じ川口派の同僚から助言を受けていたのだ。この派閥の均衡はまた大きく傾く。だから今は我慢の時期なのだと。

司の結婚を機に退職する者が増えた。それは多くが川口派のように思われたが、どちらにも属しない者が多かったように思える。

ことみと彼は結婚を視野に入れていた。結婚となると披露宴をしなければならない。しかしこの状況では招待する人間の人選に苦慮するだろう。ならばことみはこの時期を利用し一旦道明寺から離れようと結論付けたのだ。

「彼ね、イギリス支社への転勤が決まったの。あたしついていこうと思って。だから披露宴はやらないんだ。来月には渡英だしね。」

「そうなの。・・転勤って道明寺でまた何かあったの?」

「うん。あった。池谷常務入院しているんだ。」

「入院?」

「体を壊したみたい。たぶん癌じゃないかって言われているみたい。」

「だからって、それは個人の事情でしょ。派閥とは関係ないじゃない。」

そうでもないよとことみは続ける。司の結婚後徐々に勢いを増すと思われた池谷派は慢心からかビジネスの業績を上げられなかった。それに反し川口派は怒涛の勢いとばかりに経済誌に載るようなプロジェクトを成功させ、しかも複数を同時期に発表させたという。

「池谷派は給料ドロボウなんて言う人もいるみたい。何もやってない訳じゃないんだけど、すっかり影は薄くなってね。専務はこれが狙いだったんだって、あ、今は副社長になっているんだっけ。」

「・・・・・」

「だからさそんな中入院しちゃって、池谷派はザワザワしてるらしいよ。頼りないボスだなって。」

「ボスじゃないでしょ。ボスは社長でしょ。」

まぁねと笑うことみ。でもつくしは笑えなかった。

「それでことみの彼はイギリスへ転勤なの?」

「それで?あぁ派閥が関係してるってことね。ううん。彼は関係してないわ。イギリス転勤はそれと関係ない。ま、全く無いって訳じゃないけど、向こうに行ったら数年は帰って来れないみたいだし、結婚するにはいい機会かなって。あたしも道明寺にいたから事情は知ってるしね。」

つくしは退職後の道明寺ホールディングスの内情を知らなかった。

自ら耳に入れないようにしてはいたが、決して無関心という訳ではなかった。

「つくしは今会ってるの?」

「え?会ってるって?」

ことみはつくしをジッと見た。

つくしはそんなことみの様子に鼓動が早くなる。

「副社長と。当時専務だった副社長とつくし付き合ってたんだよね。」



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