甘さとスッぱさと ... 素肌にシャツを着て51
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素肌にシャツを着て51
2016-09-22-Thu
つくしは驚きを隠せない。

どう答えてよいのか考えあぐねていると、

「知ってたよ。あたしだけじゃなくみんな。」

「え?みんなって?」

ことみは視線を落とした。申し訳なさでいっぱいだった。

「秘書課のみんな。はじめは上の先輩達だけだったけど、つくしが退職した後みんな知ることになった。」

つくしは驚きの中にも納得いくところがあった。秘書課の先輩はやはり知っていたかと。でもみんなが知ることになったとは?

「噂を流したんだ。・・・意図的にね。」

「意図的って・・」

ことみは瞼に力を入れた後目を開き、口を開いた。

「牧野つくしは専務に、、道明寺司に捨てられて、、それで退職したって。」

つくしは黙って聞いていた。どう返せば良いのか分からないのもあるが、目の前のことみが辛そう顔をしながら話しているせいだ。

「先輩達が流したんだけど、それを知らない同僚は最初それに反発したんだ。つくしみんなに好かれていたんだよ。でもそれは先輩にだってそう。そんな先輩達の態度にみんな気づいてね。何故そんなことをって問い詰めた人がいて、、」

「いて?」

「それがつくしのためだって。噂の半分は本当の事だから。分かるでしょうと、、」

ことみは俯き、つくしはそんなことみを見た。ことみは自分の力になりたいと言ってくれた。きっとやるせなさにかられただろう。

「し・・

つくしが話しかけようとした時、

「それにあたし噂になる前からつくしが送迎されてること知ってた。SPに護られていることも。」

「えっ?」

「SPが付いてたよ。知らなかったの?」

運転手の川相だけじゃなかったんだ。考えてみればそうだ。川相だけで護れないことだってある。

「SPのことは知らなかったな。」

「そっか。」

再び黙る2人。ことみは顔を上げつくしを見る。答えを知りたいようだ。

「会ってるの?副社長に。」

つくしは答えられない。

「あたしには言えないか・・」

「あ、ちがっ」

フルフルとことみは首を振る。

「いいの。ごめんね。言えないよね。・・たださ、つくし・・」

そう言ってことみはつくしを見る。

「幸せになって欲しいんだ。」

とたんにつくしはポロポロと泣き始めた。

「あっ、うう、、ことみっ」

ことみは向かいの席からつくしの横に来て、背中をさする。

「言わなくていいよ。あたしはつくしに幸せになって欲しいだけ。あたしだけ幸せって何かズルい気がするからさ。」

つくしの場合は大変すぎるけどね~と言うことみも泣いている。

客が多い時間帯のファミレスでアラサーの女2人が泣いているのは人目についたが、涙はそう簡単には止まらなかった。

***


1時間後、二人は店の前にいた。

段々と冷静になり、涙が落ち着くと店を出ようということになった。

でも二人の目は真っ赤だった。

真っ赤な目でふふふと笑っている。

「この歳でこんなに泣くなんてなぁ~」

「本当だね。」

「明日はきっと腫れるよね~」

泣き顔で笑うことみにつくしは正直に話したくなった。

「ことみ、あたし道明寺と付き合ってたよ。」

「うん。」

「でも、別れたの。それがあいつのためだって思ったから。」

「分かるよ。」

「あいつは今他の人と結婚してるじゃない。あたし不倫なんてしないよ。」

「つくしはそうするだろうね。」

正直に言ってつくしはスッキリした。何故早く打ち明けなかったのかと思えてならなかった。

そんなつくしをことみはジッと見ていた。そして言おうとした言葉を飲み込んだ。

「ずっと渡英って訳じゃないんでしょ?」

「あ、うん。」

「帰国したらまた会おうよ。」

ニコッとつくしは笑って言った。

そうだねとことみは返す。飲み込んだ言葉は言えそうにない。後で後悔しないかと思ったが、これ以上つくしを泣かせたくなかった。



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