甘さとスッぱさと ... 素肌にシャツを着て62
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素肌にシャツを着て62
2016-09-28-Wed
固まるつくし。

つくしは左腕をバックを持つように曲げ、右腕は高く伸ばしていた。

ノリノリで歌っていた様子をバッチリ見られていた。

暫し固まる二人。そんな中、

「ほぇ。」

プッ。ハハハハハハハ・・

つくしの間抜けな声に司は笑いを堪えきれない。

目の前で涙目になりながら笑い転げる司につくしは身を小さくするしかない。

「なんでいるのよぉ。まだ時間じゃないでしょお。」

つくしはブツブツと愚痴っている。

「あ? なんか言ったか?」

「言ったかじゃないっつーの。なんでいるのよ。まだ時間前でしょ。」

「クックック、そうか? 別にキッチリじゃなくてもいーだろ?」

「そりゃそうだけど、だからって突然入ってくるな!」

司はニヤニヤしている。

「なによ!」

「接客の態度じゃねぇな。ま、おめーらしいけど。」

つくしはハッとした。恥ずかしさのあまり我を忘れてしまった。相手が司だからつい、、なんて言い訳だ。

「すみません。」

つくしはシュンとなってしまった。と、思ったら急にキッと司を睨む。

「あたしの接客は確かに褒められたものではありませんでした。でもそっちの態度だって良くないわ。ドアを開ける時はノックするものよ。あんたの部屋ならまだしもここはあたしの部屋なの。あ・た・しの!!」

ハアハアと息巻きながら反論するつくし。

完全にアウトな態度だが、

「だな。」

司はあっさり認めた。

そして穏やかに微笑む。その顔はつくしの良く知る顔だった。

そんな顔をされてつくしはドキドキし始めた。

「じゃ、俺が悪かったっつーことでよ。始めようぜ。」

「へ?」

「へじゃねーよ。俺はオーダーしに来てるんだぜ。その度に採寸するんだろ?」

「あっ、うん。いえ、はい。」

「クッ。今さら遅ぇよ。っつーかおめーに敬語で話されると痒くてしょうがないわ。フツーにしろよな。」

つくしはムッとした。

「大変失礼しました。道明寺様。」

と言い、深くお辞儀をする。

「オイ。」

これには司も青筋を立てる。

つくしも負けるつもりもなく、背筋をピンと伸ばし両手を臍の位置に揃えた。

しばらく睨み合いが続く2人。

そんな空気を破ったのは司だった。

「しょーがねぇなぁおめーは。頑固なトコ変わってねーのな。フッ、俺が悪かったよ。だから機嫌直せ。」

これにつくしも破顔で答える。

「しょーがないから許してあげる。」

***


「はぁ? あんた身体大きくなってるのにこれまだ着てるの?」

司はイラつくトレーナーを無視し、自己流にトレーニングしてしまったせいで、胸筋を鍛え過ぎてしまった。

なので前回作ったつくしのシャツはパツパツになっていたのだ。

ネクタイを外せば少し肌が見えてしまう。

それにつくしは呆れてしまった。でも同時に嬉しかった。そうしてまで自分のシャツを選んだ司に。変わらないこの男の愛に。

「ほら、採寸するから早く脱ぎなさいよ。」

そう言われバツが悪そうにしながら司は着ているシャツを脱ぐ。

「おー ムッキムキだ。ね、もしかして胸ピクピクとか動かせる?」

ジロっとつくしを睨む司。

そんな司をつくしは下から覗く。

ん?と首を傾げたその顔に司の顔が赤くなる。

「その顔ヤメロ。」

口を押さえて司が呟くと、つくしは司を抱きしめたくなって来た。

しかし押さえた手の薬指がつくしの衝動にストップをかける。

だから何事もなかったかのように、メジャーを手に取り採寸を始めた。

「ほい。腕を開いて。」

メジャーを弛ませ司の身体に手を回す。

大柄の司なので、一瞬身体が密着してしまうがつくしはすぐに身体を離した。

スッスッスッと採寸を進めていくつくし。

そんなつくしの様子を司はじっと見ていた。

首から下げたメジャーで分かる胸の膨らみ。(つくしは体のラインを隠すためベストを着ている。)

左だけ解けた髪を耳元にかけた仕草。

ペンを走らせるため尖らせぎみに唇を結んでいる。

その乾いた唇は、

キスをしたら赤く染まるんだよな。

司は密着した一瞬、抱きしめたい衝動に駆られた。

しかしまだ出来ない。

自分が抱きしめてしまえばこの愛しい女は苦悩の表情を浮かべるだろう。

既婚している身の自分を受けてはいけない正義感に駆られて。

そんな司の視線をつくしも感じていた。

だか、つくしには言いたいことがあったから視線を真っ直ぐとらえなかった。


「カラー?」

「そ。つまり襟ね。この前もワイドカラーにしているけど、胸板もついているしホリゾンタルカラーもいいかなって。」

「良くワカンねぇよ。」

「カラーにも種類があって、体格やシーンに合わせて変えたほうがいいの。今までもオーダーメイドだったから知っているでしょ。」

「知らね。テキトーに作れってしか言ってねーし。」

「あんたね。テーラー泣かせだったのね。いや、テーラーもか。」

「うっせえよ。おめーが勧めるんならそれで頼むわ。」

「なんか投げやりだなぁ。もっと興味を持って自分の好みを言って欲しいんだけど。」

好みはおめーだよと司は言えるはずもなく、シラっとつくしを見る。

そんな司の様子に何?と首を傾げるつくし。

「良く知らねぇから任せてんだろ。いいじゃん。他にも勧めたいのがあれば言えよ。頼むからよ。」

その答えに自分の営業を気にしたのかと感じたつくしは、

「ごめん。そんなつもりで言ったんじゃない。そりゃ顧客は欲しいけど、あたしのシャツを気に入ったら購入してほしいから、つい、、ごめんね。」

「あ?何言ってんだよ。欲しくなきゃ要らねぇって言うぜ。硬ぇ考えだな相変わらず。」

ぷうと頬を膨らますつくし。

上目遣いで見られた司は動悸が激しくなる。

ガシガシと頭を掻きつい乱暴な口調になってしまう。

「いっ、いーからよ。他にもあれば言えよ。」

つくしは司が照れてることに気づいたので、深く考えることを止めた。

「んっ、じゃあスタンダードカラーもあんた似合いそう。ノーネクタイでいけるし、ビジネスにも良いと思うよ。」

ニコニコと話すつくしに司はすっかり毒気を取られ、穏やかな気持ちになる。

「おう。じゃ頼むわ。」

「かしこまりました。」

***


店の中、入口までまだ距離がある中でつくしは司一行を見送る。

普段は店の外までお見送りするのだが、司一行に対してはここでいいと、後はオーナーの菜々子が引き受けるのが慣例になっていた。

何故そうするのかつくしにも疑問だが、菜々子の指示には素直に従うつくし。(つくしなりに菜々子の考えがあってのことと理解していた。)

店の前で菜々子に見送られる司。

「それでは良いお返事をお待ちしております。」

「分かった。」

リムジンに乗った司は複雑な表情だ。

菜々子からの提案が彼にとってどう転ぶのか、それはある意味リスクを伴っていた。
しかし、

「ま、虎穴に入らんば虎児を得ずってやつか? やりようによっちゃ、両方上手くいく。フッやってやろーじゃねーか。」



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ワイシャツの選び方でググりました。何せ詳しくないので、雰囲気で流して下さい。
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第三章動かないミシン cm(2) tb(0)
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Re:

次のお話でもうちょっとあるよ。
lemmmon
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