甘さとスッぱさと ... 素肌にシャツを着て64
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素肌にシャツを着て64
2016-09-29-Thu
経済界の新年のパーティがNYのメープルホテルで行なわれていた。

着飾った紳士淑女が司の周りに群がる。

いつもの様に梢は居心地の悪さを感じていた。

司と少し離れるだけで聞こえてくる自分への悪口。

若作りだの、オバさんだの、鏡を見ろだの内容がくだらな過ぎて、反論する気にもなれない。

数年前は自分もあちら側にいた事があまりにも滑稽に感じる。

周りを伺えばそんな彼女達を卑下して一瞥する男性もチラホラいる。

この世界にいる女で、どれだけの人が認められている一目置かれているのだろう。

親の七光りというよりも虎の威を借る狐のようで、着飾っているだけの人形にしか見えない。

ふと視線を感じると司が早く来いと見ている。

つい最近までは睨んでいるように思えたが、今は見ていると思えるようになった。

自分の夫であるこの男は容姿端麗で人を惹きつける魅力を持ち、且つ冷静な眼差しは肉食動物のような獰猛ささえ感じられる。

この男が自分に結婚の打診をした時はからかわれているのかと思った。しかし、双方にメリットがある政略結婚だと説明され申し込みには納得したし、そのチャンスを逃がす事がどれだけ愚かなことか嫌な程分かっていた。

「にしても、私の方がデメリット大き過ぎよ。」

「何やってる。」

「すみません。」

「ちゃんとやれよ。」

コクンと頷く。周りには妻の努めと思われるだろう。しかし自分がやっていることは妻としてではなくいわばエサなのだ。

自分に対する周りの反応。主に女性。悪口なのは相変わらずだが、その時々で変わってくる。先日までは口達者に喋っていた娘が、ある時は大人しかった。そこに理由があると司は言うのだ。実際、大人しくなった娘の親の会社は大事な取引を控えていた。司はそれを潰しはしないが大いに利用したらしい。本当に潰してないんだろうか疑問だが、そこは自分の口を出す所ではない。

そのため梢は悪口を言われるのを承知でパーティに参加し、自分に対する反応を見ているのだ。

馬鹿な娘だな。親の顔が見てみたいと思えば、実際親の方もいい気になっていたりして、甘い言葉ですぐに引っかかる。

司はそんな駆け引きを楽しんでいるようだった。

「梢さん。」

「明けましておめでとうございます。お母様。」

声をかけたのは社長の楓だった。鉄の女と呼ばれるこの人は認められている数少ない女性だ。

「司から聞いたわ。あなたから言ってきたそうね。」

「はい。私もいい歳ですので。」

チラッと楓に睨まれた気がした。何せ道明寺の子どもを作らないと宣言したようなものだ。

「ま、想定内です。気にしてません。」

その言葉に梢は驚く。それは、そこまで容易周到な司にだった。

反応できない梢。楓が声をかけようとしたその時、

「あっ。」

「どうかしましたか。」

「えっええ。」

あることに梢は気づいた。いや気のせいか?それには自信が無かった。

梢は少し離れたところにいた佐倉に目で合図を送る。

程なくして佐倉が側に駆けつける。

「どうかしましたか?」

「あそこ。○○○の専務がいるけど先日とパートナーが違うわ。確か△△△の令嬢をエスコートしてたわよね。」

違ったかなと梢は小声で話す。

楓はその様子を見て驚いた。佐倉が梢に話しかけると同時にイヤホンマイクに手をかけたのだ。そして、報告を受けているらしい。

「いえ。当たってますよ。パートナーが変わってます。」

「今連れてるパートナーは▲▲▲よね。」

「良く知ってますね。」

「私のブラックリスト5の取り巻きの一人。」

そして、楓が司の方を見ると秘書が報告している。

どうやら何らかの動きがあったようだ。

おそらく司はそれを利用するだろう。自分でもそうする。

楓は司の手腕を初めて目の当たりにした。
数ある企業の中でリアルタイムに特定の企業の弱みに漬け込み利用する。それは良くも悪くもだが、ただ言えることは道明寺ホールディングスにとって有利であること。なぜそんなことが出来るのか不思議で仕方なかった。司の引き抜いた部下が活躍しているだろうとは思っていたが、まさか妻までとは思って無かった。

佐倉が離れた。梢と会話したのは5分足らずの時間だろう。しかしこの5分がパーティの2時間内で一番重要な意味を持つ。

「いつもやっていたの?」

「は、はい。」

「やられたわ。司にもあなたにもね。私のやり方は古いのかしら。」

「そんなこと・・私にはやり方など分かりませんが、人それぞれだと思います。私たちにはこのやり方が合っていたのかと。」

「抵抗はなかったの?」

「始めからではありませんでした。ただパーティを乗り切る方法の一つと言われ、仕事だと思えばすんなりパーティをこなせたんです。そのうち人間観察が面白くなりました。心理学も復習したり、何度か大学の講義も聴講に行きました。」

「確かあなたは一度起業したわね。」

「ええ。失敗しましたけど。」

「でも、軌道に乗せていたじゃない。甘い考えの中、あの実績はセンスを伺わせるわ。あなたは事業に向いているのね。」

その言葉に梢は司の優しさを感じた。

愛されてないことは宣言されたし、態度にも出ていた。しかし自分を蔑ろにしないことに疑問を感じていた。司はいつか放す梢に金ではない力を与えていたのだ。

梢は司に愛する存在がいることを知っていた。先日日本でのパーティでその姿を見たからだ。その人は梢にとっては目を引く存在だった。司の相手という訳ではなく、馬鹿な女ではなかったからだ。司の友人だけでなく何人かの男性も彼女に視線を送っていた。

早く彼女の元へ司を返してあげたい。梢にはそんな気持ちが湧いてきた。

彼女の魅力を解るということは、自分は女でもそちら側なんだろうと、これから始める事業に自信が湧いてきた。



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どーでもいいキャラに名前を付けるのを止めました。
こんな駆け引きが本当にあるのかは疑問ですが、話のベースは私の妄想なので流して下さい。
でも人間観察は楽しいですね。
その人となりを事前にリサーチしていればいろいろ見えてくるでしょうし、とある芸能誌はそれでスクープを連発しているのかな?
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第四章シャツが結んだモノ cm(4) tb(0)
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Re: No title

初コメありがとです。
めっちゃ照れてしまいました。
褒めすぎですよぉ。
\(//∇//)\
私の司は完璧すぎますかね?
なんだか私の妄想を客観視されて恥ずかしかったです。
また来て下さいね。
lemmmon

Re:

こんばんわ(=^ェ^=)
てへへ共感してもらえて嬉しい。
でもねー書けるかなぁ。
何をかは敢えて言わない。
自信ないです。
というのも原作とドラマのみの印象だけなのであまり像が見えないのですよ。
幸せになっていてチラッと登場させてみようかな。
いつになるか分かりませんが、やってみます。
lemmmon
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