甘さとスッぱさと ... 素肌にシャツを着て65
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素肌にシャツを着て65
2016-09-29-Thu
1月も終わるこの日司は31歳になった。

そして、この日司は日本にいた。

司のバースデーパーティではないが、とある企業御曹司の婚約披露パーティに参加していたのだ。

相変わらず群がられる司。いいかげん相手をするのも嫌気がさしてきたため帰ろうかと思い始めた時声をかけられる。

「よう司。帰ってたのか。」

「久しぶりだな。あきら。」

「ひとりなのか?珍しいな。」

それを聞いて笑い出す司。

クックックック・・

「なんだよ。どーかしたのか?」

「いいや。ふっ、別にひとりでもおかしくねーだろ。出張のついでに参加したようなもんだ。出張にまでいちいち連れて来やしねーよ。」

「こないだは一緒だったろ。」

「あれはそのために帰国したからな。」

なんだか機嫌が良い司。あきらは何かあると感じ飲みに誘った。司もあっさり同意する。

東京メープルに場所を移動し、最上階のバーにいた。ここならば話しにくいことも聞き出せる。

「で?何があったよ。すげー機嫌いいじゃん。」

「そうか? そういや俺誕生日だな。」

「誕生日で浮つくお前じゃないだろ。隠すなよ。」

そう問い詰めても司は反応しない。

「牧野に会ってるのか?」

ピクリと司が反応する。

あきらはそれを見逃さない。

「否定はしねぇ。」

そう言って酒を煽る司。

「だから・・か?」

「いや、それは違う。」

カラカラと酒の空いたグラスを回す。

「どういうことだよ。隠されるのは気分いいもんじゃねーぜ。特に牧野のことはよ。」

「だから牧野のことじゃねぇんだよ。」

はぁ?と納得がいかないあきら。牧野のことでなければ何故ここまで司は機嫌良くなるのか分からない。

「ま、今は話せねーな。おめーが信用ならねぇんじゃなくて、詰めの段階だからよ。慎重になっているんだわ。」

そのうち話すからよと司は酒を飲み続ける。

「それじゃ、牧野と会ってることを否定しないのはどういうことだ?」

「ああ。あいつの顧客になってる。店で会うだけだからよ。否定しねぇと言ったのさ。」

「顧客ぅ?牧野の服をオーダーしてるってことか?」

「それ以外あるのかよ。」

「今着ているやつか?」

「おぉ。このシャツな。」

そう言って着ているシャツに目線を落とす司。それはつくしに向ける目と同じだった。

「へぇ。じゃ俺も頼もうかな?」

「止めろ。」

ジロッと睨む司。表情が一変し、とても親友に向ける目ではない。

「お前だけ独占かよ。顧客が増えた方がいいんじゃねぇか。」

「おめーってバレりゃあ迷惑でしかない。」

それはお前だって、と言おうとして気づく。

「司お前、極秘で来店してんのか?」

「たりめーだろ。」

なぜとはあきらは聞かない。それをマスコミにバレたら店舗内だけで会ったとしても不倫と騒ぎ立てるだろう。

「俺の名前は出してねぇよ。来店する時も気を使ってる。」

そっかと黙ってしまったあきら。

「けど、もう来店は出来ねぇな。ま、オーダーはすっけどよ。」

「何でだ?出来ねぇって、バレたのか?」

「いや、バレてはねぇ。ただ、うるさくなるだろうからな。気を使っても限界はあるだろう。だから行けねぇんだ。」

「うるさくなる?」

そう言ったあきらと目を合わせニヤリと広角を上げる司。

「詰めの段階と言ったろ?」

あきらは司がやらんとしていることを理解した。ならば口出しは出来ない。

「そうか。だったら、俺もそうなる前に牧野に頼んでおくべきだったな。(品質は)いいんだろ?」

「・・させるかよ。」

司の嫉妬心に目を丸くするあきら。が、すぐに思いつく。

「そんなに密着するのか。」

ムスッとした司の顔。それが答えのようなもんだ。

「俺ら以外にも顧客はいるだろ。そいつらはどーすんだよ。」

ジロッと睨む司。恐らく相当我慢しているんだろう。あきらはこの男に我慢をさせる牧野に会いたくなってきた。

「いつまで待てば会えるんだよ。俺らは。」

その言葉に司は視線を真っ直ぐに正す。

「長くはかからねぇ。俺も限界はとっくに超えてっからよ。」

***


「おかえりなさいませ。秘書より荷物が届いております。」

あきらと別れ邸に帰った司。

使用人からの伝言に、部屋へと向かう足を速める。

バタン

カツカツカツ

はぁ。

それはソファのテーブルの上にあった。

郵便宅配の包みを破り、中を確かめる。

そこには真新しいシャツが包装されていた。


メッセージカードが添えられている。

======

誕生日おめでとう。

先に出来た一枚を贈ります。

あなたの素肌になじみますように。

======

メッセージには名前は無く、ある草のスタンプが押されていた。

愛する人の名前と同じ草。

その草は春に芽吹き、踏まれても強くしなやかに生きている。

司はそのメッセージカードにキスをした。

愛する人もメッセージとともにカードにキスをした気がしたからだ。

「サンキュ。つくし。」



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司のハビバ編です。話の流れはちゃんと織り込んでいるつもり。
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第四章シャツが結んだモノ cm(0) tb(0)
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