甘さとスッぱさと ... 素肌にシャツを着て7
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素肌にシャツを着て7
2016-08-29-Mon
その日は朝から違っていた。

いつもより1時間半も早く電車に乗り、空いている席を見つけるまでは気分が良かった。

しかし後悔する。座らなければ、寝過ごして3駅も降りそこなうこともなかったのだ。

「早起きの意味ないじゃん。」
どこでも直ぐに眠れてしまう自分が恨めしい。これでは客の方が先に店に着いてしまうと、つくしは焦っていた。

到着駅のエレベーター近くに止まる車両まで移動し、到着したらすぐにエレベーターが開く幸運を祈った。

そうだ。もしこれでエレベーターが直ぐに来ていたら、きっと今日の客は顧客になってくださる…そう思えた。

歌でも歌おうかしら。そうよね逆境も楽しまなきゃ。でも、流石に歌えないな。鼻歌くらいなら変に思われないかも。

焦りを静めるため、頭の中は忙しなく動きまくる。

電車が到着し、エレベーターの前に立つ。
エレベーターはもうすぐこのホームの階に止まりそうだ。

肩の力が抜けていく、

根拠のない自信が漲り、今日は上手くいくと確信した。

駅の中、走りはしないが、出口まで最短となるよう人と人の間を抜けていく。

つくしの顔には、笑みがこぼれていた。


「ギリギリよ。」

オーナーの菜々子に苦言をさせてしまった。

「まだ、岩元様はいらしてないわ。でも、もう約束の時間になる。手早く準備なさい。」

「はい、失礼します。」

菜々子への挨拶もそこそこに、つくしは客を迎える準備に取り掛かる。

今朝は例の急ぎの客の採寸の日なのだ。

かなり多忙を極めるのか、岩元は開店より少し早い時間を指定してきた。

そのため今店内にいるのは、オーナーの菜々子とつくしの二人だけだ。

もうすぐ、他の同僚も出勤してくるだろうからつくしは、そのことをあまり気にしていなかった。


程なく、岩元が来店してきた。

どうやら、数人いるらしい。

秘書と一緒なんだろうとつくしは思っていた。

つくしのいる採寸部屋に、一行が姿を見せた。


!!!!!

つくしは身動きが取れなかった。

「岩元様、こちらが当店のテーラーの牧野です。」

「よろしく頼む。」

5年ぶりの低い声が耳の中に入ってくる。

イワモト?ヨロシク?ドウイウコトナノ?

「岩元様は、この後8時には店を出なければならないの。時間がないから、早速採寸を始めなさい。」

行動を指示するような菜々子の口調にも、つくしは気づかない。

「つくしちゃん!」

「はっ、はい。」

「いつも通りにね。」

菜々子は、優しい笑みを浮かべ、岩元本人以外の一行と部屋を出て行った。

つくしは岩元を見た。菜々子は岩元と言っているが、

185cmの身長。

癖のある髪型。

切れのある瞳。

唇は、つくしを見て左に口角を上げる。
あの唇と何回キスしただろう…


彼はどう見てもつくしの別れた恋人だった。


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第一章テーラーつくし cm(2) tb(0)
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Re: 初めまして

コメントありがとうございます。

うん。寂しいですよね。

でも、趣味の世界なのでしょうがないですね。

だから私も勇気出してみました。

私自身楽しんでやってます。

コメントって、やる気にしてくれますね。

lemmmon
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