甘さとスッぱさと ... 素肌にシャツを着て79
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素肌にシャツを着て79
2016-10-06-Thu
「おい牧野これ見たか?」

トイレに出て来たつくしに広沢が声をかける。

「トイレの後で声かけられて嫌だなぁ。」

「しょうがねぇじゃん。お前、トイレ以外で部屋から出て来ねぇんだからよ。それより、これだよこれ!」

広沢が持って来たのは経済新聞だ。

そこには司の元妻梢の記事が載っていた。
来春リニューアルオープンする遊園地のことが書いてあった。シアトルにあるこの遊園地を日本人向けにアピールしていた。というのもシアトルは日本に馴染みのある土地だ。地元のベースボールチームのことは日本人が活躍していたので良く知られているし、それにシアトル発祥の有名なコーヒーショップもある。CEOである自らも日本人とあって、アメリカにいながらも日本人のおもてなしを全面に出しているのだ。

「すごいですね。何というかアトラクションではないけど、エリアに協賛企業が付くんですか?まるでディ○ニーランドですね。」

「そう。しかも日本企業だぜ。シアトルってアメリカじゃあ、主要都市でも低い方だ。これから日本人が集まるって、注目されてるらしい。俺も行ってみてぇな。」

「広沢さん遊園地好きなんですね。」

「悪ぃか?男だけどランドにも何回も行ってるぜ。」

フルフルと頭を振るつくし。広沢のことより元妻のことが気になっていた。

「すげぇよな。女でこんなに出来るなんてよ。確かに道明寺の妻のままならこんなこと出来ねぇよな。」

「妻の務めが優先だから?」

「そうじゃねーよ。道明寺の妻ならどんなに頑張って遊園地を成功させても所詮道明寺の力って言われるぜ。やらないうちから言われてっかもな。起業家としてはテンションだだ下がりだ。やる気が起きなくて成功なんてしねぇよ。」

「なるほど。広沢さん詳しいですね。」

「俺も良く批判されたからなー」

「そうなんですか?」

「まぁな。見た目からだろーな。」

「口の悪さじゃありません?」

「言うじゃねーか。それならお前の男はどうなんだよ。口だけじゃなく態度もでかかったぞ。」

そう言ってニヤニヤする広沢。

つくしはムッとなる。つくしがやっと気づいてからはこうやってからかわれてばかりだ。

「しょうがないんです!あいつは生まれた時から俺様で、あたしが根性鍛えたんですけどね。また捻くれてるんですよ。」

「じゃあ、早くまた鍛え直さないとな。」

そう言ってポンポンと頭を叩き広沢は離れて行った。

つくしの手にはその経済新聞が握られたままだった。

部屋に戻り、記事を読み返す。

記事には梢のインタビューが載っていて、遊園地にかける想いが綴られていた。

確かに広沢の言う通り、司の妻ならばこんな扱いではなかっただろう。

読み続けていて、あることに驚いた。

「え?妊娠してるの?へ、結婚?もう再婚してるってこと?」

***


バサッとその新聞を放り投げる司。その顔はニヤニヤしている。

その目の前にはバツの悪そうな男が立っていた。

「待てなかったのか?」

「・・・・・」

「おい、佐倉!」

ふぅと観念したように男が口を開く。

「ミヤに子どもが欲しいと強請られて、他の人に頼むと言われたら焦りますよ。」

「クックック、梢もなかなかの策士だな。まあ、俺のプランに背き強気で舵を切っただけはある。」

実は遊園地事業が軌道に乗るまで、佐倉との再婚は待てと司は言っていたのだが、梢はそれでは子作りが遅くなると反発したのだ。

岩元の考えで、司と離婚してすぐに再婚となると結婚前から付き合っていたのではないかと騒がれると予想されたからなのだが、梢はどうせ騒がれるならとすぐにマスコミに発表したのだ。

先手必勝。その作戦が功を奏したようで、梢は佐倉梢になりましたとにこやかに取材で答えた。

夫であり秘書である佐倉に対する感謝の念を宣言し、これから始まる事業へのさらなる飛躍を誓ったのだ。

堂々としたスピーチに、その記事を執筆した記者は好印象に受け止め、それは記事にも反映された。

これはそう仕向けた梢の作戦勝ちだ。

「大したもんだよな。ま、こんなことが出来りゃ心配は要らねぇな。」

佐倉もそう思っていた。秘めた想いを持っていた頃はこんな大胆なことが出来ると思ってなかったし、道明寺梢だったころもそんな片鱗は見せてなかった。

「なんだよ。おめー怖気づいたのか?」

「いえ、そんな訳はありません。」

「じゃあ何だよその顔は、辛気臭ぇぞ。」

司にそう言われ佐倉はふぅと息を吐き、背筋を伸ばした。

「そうですね。確かにもっと誇らしくあるべきだ。」

司もやや姿勢を正す。

「これからはミヤ、いえ梢の夫として妻を支えて参ります。」

「頼んだぜ。何かあれば声かけろよ。ま、最初は披露宴か?」

「結婚式が先です。」

「それは2人で好きにやれよ。披露宴は遊園地事業にも使えるだろ。」

司の考えに佐倉は脱帽する。佐倉とて考えつくことだが、少し浮ついていたかもしれない。

「そうですね。ありがとうございます。その際はよろしくお願いします。」

そう言って佐倉は深くお辞儀をし、部屋を出て行った。

「あいつらが結婚か。ま、そう仕向けたんだが、俺の勝手にゃ進まなかったな。」

デスクから何かを取り出しそう言って席を立つ司。

窓際に立ち、タバコをふかしながら遠くを見つめる。ここ数年でタバコの量が増えていった。

「結果オーライでいっか。これならあいつも文句言わねぇだろ。」

キューピッドなんてらしくねぇことしてんなと自嘲する司。気分は悪くないのに、表情は冴えない。

「てかよ。おめーはいつ来んだ?相変わらず遅ぇんだよな。」




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