甘さとスッぱさと ... 素肌にシャツを着て80
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素肌にシャツを着て80
2016-10-07-Fri
5月初旬、大型連休が終わりつくしは作業部屋にあるマネキンを眺めていた。

そのマネキンは新しいスーツを着ていた。

スーツにスラックス、ワイシャツ、そしてネクタイをつくしは作成した。

しかも2着ずつ。

というのも、司はシャツの布地を決めていた。それに合わせてスーツを作ったのだが、ネクタイを作る段階でスーツに合う色がつくし好みじゃなかったのだ。

つくしは赤い色のネクタイを作りたかった。

去年のバレンタインでビターチョコレートをイメージしたネクタイを贈ったのだが、後から考えて司に全く合わないことに気づいた。(あんな派手な男に地味な色を贈るなんて本当あたしは色ボケしていたなー)

だから赤い色のネクタイに合うスーツを更に作ったのだ。

今目の前にあるマネキンはそのスーツを着ている。

つくしは指でファインダーを作り、片目でそれを見た。

「ま、いっかな。」

スーツを作り始めてまだ半年しか経っていない。あいつが着るには役不足かもしれない。

「一度着てポイなんてしたら、ぶっ倒すからね。」

強気に発言しても表情は弱々しい。

このスーツを着たあいつを見た人の反応が気になってしまう。あいつが何か言われたらそれはあたしのせいだ。

明日から一週間つくしは休暇を取った。

NYの道明寺邸に納品するつもりだった。

司はNYを本拠地としている。日本には年に数回しか帰って来ない。

つくしは納品出来ることを岩元に連絡しなかった。

直接道明寺に渡したかったからだ。

とは言えNYには良い記憶が無い。

高校生の頃、追いかけたときはスリにあったし、遠恋時は来なくていいと言われた。(その理由は今なら分かるけどさ)

「またスリにあったら最悪だし、そもそも海外の空港って荷物が紛失とか良くあるのよねー」

NYではそうないと思うのだが、ネガティヴ思考になっていた。

ブルブルと頭を振り、しばし考えるつくし。

そして、

バンッ

思いっきり頬を叩いて気合いを入れた。(が、また入れすぎた)

「いてててて・・」

(パタン)

ハッとしてつくしは振り返る。

ドアは閉まったままだ。

さっきの音は別の部屋のドアが閉まったのだろう。

「だよね。」

そう都合良く司は現れる訳はない。

「はぁ、NYって遠すぎんのよ。こっちの邸に居ればいいのに。」

そこである人物の事を思い出した。

「そうだタマさん。」

***


電車とバスを乗り継ぎつくしは世田谷の道明寺邸へやって来た。

長い塀が続く道を歩いている。

「こんなに長かったっけな。」

道明寺邸に行くのは遠恋時代ぶりだ。(司が帰って来て付き合っていた間は行ってなかった。)

途中あの雨の日に別れた場所を通る。過ぎた日とはいえ胸が苦しくなる。なので考えないようにした。

邸の門の前に到着する。

監視カメラに向かい、自分を知る人がまだいるのかと不安になる。

ゆっくりとベルを鳴らす。ただ押すだけのことなのに震えてしまう。もしかしたらタマはもう在命してないかもしれない。そんな不安さえ押し寄せる。

ブーー

「・・・・・」

返答までの時間が長く感じた。

「カチャ。はい、どちら様ですか?」

「あっ、あ、えっとあたし、あの牧野と申します。あの・・」

声が震えるつくし。

「牧野様ですか? 牧野様今お迎えに上がります。(バタバタバタ・・・)」

返答から聞こえる騒ぎに、安堵するつくし。どうやら自分を知る人はまだいるようだ。

しばらくして敷地奥から黒塗りの車が見えてきた。誰か出て行くのかなと思ったつくし。門が開くためつくしも側を離れる。

すると車は門を出て方向転換し始めた。車を停め運転手が出てくる。

「牧野様お久しぶりでございます。お元気でいらっしゃいましたか?」

運転手は知った顔だった。高校生の頃まだ司に追い回されていた頃何度か世話になった。

「あ、えっと、(誰だっけ?顔は憶えているんだけど)、、」

「□□です。さ、どうぞ中へ坊ちゃんは不在ですが、タマさんはいらっしゃいますよ。」

また独り言を言ってしまったかと思いつつ、タマがいることに安堵するつくし。

「ありがとうございます。あ、あの歩いて行きますので、、」

「いいえどうぞお乗り下さい。皆さん待ちかねてます。」

「へ?み、皆さんって?」

待ちかねてると言う言葉に誰がと思いつつも、待たせたら悪いなと車に乗り込むつくし。

そして車は玄関先へ到着する。

運転手がドアを開けつくしが出てくると、そこには道明寺邸の使用人が並んで待っていた。

「「「「「「「いらっしゃいませ牧野様。」」」」」」」

「うひゃう。」

その勢いに驚いたつくし。そのため持っていた荷物を落としそうになる。

「お荷物お持ち致します。」

使用人のひとりがさっと手を出す。この人は見覚えがあった。

「だ、大丈夫です。」

体勢を整え、使用人達に向き合うつくし。皆ニコニコして立っていた、、いや2人ほど分からない顔する人がいる。新人さんなのだろう。

「あ、あのタマさんは・・」

「いるよ。」

そう言って腰の曲がった老婆が出てきた。ようやく今この場に来たらしい。

「タマさん。お久しぶりです。」

「ああ、久しぶりだね。」

***


「ふぅ~疲れたぁ~」

「なんだい気持ち良くはなかったのかい?自分らで言っておきながらあの子たちもまだまだだねぇ。叱らなきゃいけないね。」

「いえ、そんな事はないです。ただ慣れてなくて、あのとっても気持ち良かったです。」

タマの言葉に焦るつくし。つくしの久しぶりの訪問に使用人達は過剰なサービスを提案する。顔が疲れているだの、脚も浮腫んでないかだのと言ってエステを勧め、いや準備し出した。その手際の良さにつくしは呆気に取られるばかりで、気付けば約2時間のエステコースをみっちり受けることになる。

そしてタマの部屋へと来たのだが、いくら仕事を早めに上がったとは言え道明寺邸に着いたのは午後の4時で、つまり今は7時過ぎになる。

空腹を自覚するつくし。どうか腹が鳴りませんようにと力を抜いてみるが、

ぐーーぅ

「・・・・・」

クックックックック

タマに笑われるのも仕方ない。つくしは顔を赤らめながらも黙っていた。

「こっちに何か持って来させよう。」

「ありがとうございます。」

つくしはペコペコしながら小さく呟いた。



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え〜と、まだ再会、、引っ張ってる訳ではないのですが。

あと、運転手さん原作を細かく把握してないため知りません。
名前出てきましたっけ?
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第五章スーツに愛をこめて cm(2) tb(0)
Comment
 

運転手さん

いつも楽しく拝読させてもらっています。
早く二人が再会できるといいなぁ。

さて、運転手さんの件ですが、気になってパラパラ読みましたが、眼鏡の人、ちょび髭の人、ブタ鼻の人、SPポイ人など、毎回違いましたよ。
そんなに運転手を抱えているのかと、改めて道明寺財閥のすごさを感じました。

これからも更新楽しみにしています!

Re: 運転手さん

調べてくれてありがとです。
(*'▽'*)

他の2次さんで運転手の名前があったけど、それはそちらの設定だったんですね〜
それに合わせようかとも思ったけど、調べる手間をケチりました。

やっとここまで来ましたよー
でも出し惜しみしている訳ではないですが、100話で終わりたい欲が出て来まして。
どうなりますかね。

ま、エンドは決めてるので最後まで出来そうです。

他の方もコメントありがとうございます。
ちっと、煮詰まり時間が過ぎてしまったのでここでありがとうの言葉を返したいと思います。

みんな来てくれてありがとうー
╰(*´︶`*)╯♡

lemmmon
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