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イベリス 22
2017-07-14-Fri
そして今朝目覚めた。


今日も目覚めは最高。


大きく息を吸うと、鼻腔に入ってくるのは俺じゃないヤツの香り。

匂いで存在を感じるのも良いもんだな。


俺はつくしの纏った空気を吸うようにさらに大きく息を吸った。

そして頭にキスをする。

その振動で腕に痺れがある事にまた気付いた。


たまらねぇ朝だ。

こんな朝が毎日続かねぇと俺は満足しねぇと思った。


昨日の朝の事を思い出す。

確か昨日も朝からヤッた。

挨拶がわりのようにな。


俺はそおっとつくしの頭から腕を抜こうとするが、今朝は昨日とは違いその動きでつくしは目覚めてしまった。


「ん、、」


直ぐさま唇を塞ぐ。

つくしはキスがお気に入りだ。

キスで蕩けさせたら、後は挿れるだけだ。

そう思っていたんだが、、



「は、、おはよ。んっ。」


つくしはキスを強請ってきた。

可愛すぎるだろ。

一発KOされた俺は再びキスをする。

だが頭の中は挿れる事に支配され、

生理現象が欲望に成り代わっている。

挿れねぇと鎮まらねぇぞ?


「は、、つくし、準備しねぇと遅れる。」

「ひゃう。ん、そうだね。」

「だからとっとと済ますぞ。」

「何を、、ひゃあ!」


俺はつくしの返事を待たずに挿れた。

素早く終わらせるためにピストンに集中する。

しかしふとつくしを見るとそこには思わぬ表情のつくしがいた。


「どうしたぶーたれて?そんな顔でも可愛いけどな。」

「ぶーたれてるのは、不満だからですぅ。もうっ、いいって言ってないでしょ。」

「あ?嫌なのかよ。昨日もヤッたじゃねえか。」

「だからよ。あんなにヤッたのに朝からしなくてもいいじゃない。もー、早く終われぇ!」


嫌がられると思わなかった俺は渋々出して抜いた。

なんか不完全燃焼だぜ。


おまけに勢い良く起き上がったつくしに睨まれる。

その顔もやべえ。

はっきり言って可愛い過ぎるしかねぇぞお前。


「あたしも今日から道明寺で働くんでしょ。遅れるんだったらシないでよ。シないでさっさと準備する!」


そう言ってズカズカ部屋を出て行くつくし。

確か昨日は素っ裸だから恥ずかしいとか言ってなかったか?



時計を見てため息ひとつ。

俺は別の部屋のバスを使う事にし立ち上がった。




部屋の移動の分、時間を食ったが男はシャワーを浴びれば着替えるだけだ。

コロンも付けているが、シャツを着る前に付ける事で時間を取るほどのものでもねぇ。



リビングに戻ればつくしがメイクをしていた。

デスクに鏡を置いてせっせと顔に何か塗ってやがる。

ファンデーションってやつか?

つうかなんか効率悪いな。

少しずつ粉を取っては落として塗るんだが、少量ずつしか塗れないらしくその作業を何度も繰り返している。

俺はじぃっと覗き込んだら、鏡のつくしに睨まれた。

ムッとして顎をしゃくるつくし。

それは俺の真似か?

だが俺は退く気などなく、椅子を持ってきてはドカッと居座った。


振り向いて眉間に皺を寄せるつくし。

だが俺が顎をしゃくるとまた鏡に向かって続けた。


「見ないでよ。」

「何でだよ。おもしれーから見せろ。」

「何が面白いのよ。」

「ん?お前が動いてるとこだな。」

「化粧に興味があるの?」

「いや、興味があるのはお前。」

「あっそ。」


つくしの口調も随分軽くなった。いや、辛くなったか?

だが小気味良くて俺は嬉しかった。



ファンデーションを塗り終わったつくしは、次に眉を書き始めた。

が、それはすぐに終わる。

眉のサイドをピッって書いただけだからだ。

書いた事になるのか?


そして何やら色が色々あるパレットを手に取った。

これは安モンだな。

どこに行けばこんなの売ってるんだ?


俺が苦い顔をしていると、つくしは緑色の粉を指に取り瞼にちょんちょんと塗りつけた。

これは取り過ぎたのかティッシュで指を拭いてまた指で瞼全体になじませている。

そのうちティッシュでも拭き始めた。

塗ったの取れたんじゃねーか?



俺の頭でハテナが飛び交う中、つくしはピンクのパレットを取り出した。

ちっちぇーブラシで頬を撫でる。

これは一回だけだ。


だがつくしの表情は冴えない。

不満気だった。

ティッシュに手を伸ばそうとしたが、悩んでやめた。



つくしが席を立ったので俺は声をかける。


「おい、リップは?」

「ん?ああ、口紅は最後だよ。綺麗に塗ってもさ、何かの拍子にすぐ取れちゃうの。まぁ、あたしの場合何かにぶつかっちゃうから取れるんだけどね。」


てへっと笑うつくし。

俺は痺れていた。


そして後をつけると、姿見の前でジャケットを羽織るつくし。

髪はまだ手付かずだ。


そして、ジャケットのポケットから何かを取り出して髪を留めやがる。



まさか、、



「えへ。準備終わったよ。」


振り向いて満足気なつくし。


俺は言葉を出す事を躊躇った。


こんな事今までねぇぞ。

やっぱりお前はただモンじゃねぇと、余計な事を考えてしまう。



「どうしたの?」


首を傾げてつくしが聞いてきた。

どうしようもこうしようもねぇよ。

それでメイクしたと言うつくしが凄え。

はっきり言って何も変わってない。


まぁ、悪くはなってねぇぜ。

だか良くもなってねぇ。

俺はこのままのお前でも全く構わない。

いや邸の中では構わねぇが外では不味い。


どう不味いって、おそらく女どもの攻撃に合う。

あいつらのメイクが俺の好みという訳ではないが、俺の周りはあんなのばっかりだ。

つまり今のつくしは弾かれる存在になりかねん。


まぁ西田はそんな事しねぇし対策を取るだろうけど、、


まてよ。


そういやこいつ花沢ではあんな扱いされてたな。

どんな風に呼ばれていたかまでは書いてなかったが、変な呼び名を付けられていたとこいつの書類には書いてあった。


女じゃねぇ。


男だ。


こいつは無駄に仕事が出来るとも書いてあった。

だったらそれを良く思わないのは男だ。

女はこいつを利用すれどそこまで陰口を叩きやしねぇ。なぜならこいつは女と同じ土俵にいないからだ。



黙っている俺につくしの表情もこわばっていく。



俺はハッキリと伝える事にした。



「つくし、あのな、、」




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何を隠そう私はメイクサボりウメンです。
貧乏なつくしならファンデーションはちゃんとした日本メーカーのを使うが、節約で少しずつ少しずつ薄ーく塗ると思ったんです。ナチュラルメイクは薄くだと認識中。間違っではないがちょっと違う。そしてBBクリームはムラになるからと使わない派(作中のつくしがね)。眉は今流行りのデカ眉。それも勘違いしてます。そしてアイシャドウは100均の物。だからアイシャドウはファンデよりは大胆に使う。それでも濃くは塗らない。そしてチークは100均ではないけどちょこっと落ちるメーカー品。上に塗るやつだから良いのでなくてもいいんじゃないとの考えです。
私なりのメイクの知識でつくしを女子力なし子にしてみました。
賛否両論あるかなー?

珍しく1日2話投稿。頑張ったのポチ下さい。
イベリス cm(3) tb(0)
イベリス 21R
2017-07-14-Fri
注意書きを書いたり書かなかったり、まちまちですみません。

でも今回は濃厚にしてしまったので書きます。

覚悟して読まれよ!








激動の2日間だった。

動く時には動くという事なんだろう。


そして俺とつくしのペースも出来つつあった。

走り始め、そのペースが悪くなければ続けていく。

当初俺が考えていたペースとは違うが、悪くなかった。

それはやはり相手がつくしだからだろう。

相性の良し悪しでこうも変わるものかと今さらながら俺は実感していた。



帰宅が22時前だった昨夜、

俺を出迎えたつくしがジャケットやネクタイの受け取りを待っているのに、俺は棒立ちでつくしをじっと見つめた。

一昨日もつくしは俺に見られた事でスイッチが入った。

だから抱きたいと思ったら言葉はいらねぇ。


じっと見る。


つくしが俺を受け入れたら、その目の揺らぎが止まるからだ。


ジャケットを掛けないと皺になると言うつくしの手を取りクローゼットへ、

そしてつくしが脱がせるように仕向けたら、昂った俺自身を意識させた。

つくしは文句を言っていたが、その勢いは弱ぇ。イヤイヤと要求するようにしか聞こえねぇ俺はその場でつくしに被りついた。

一昨日同様に着衣のまま繋がる。

つくしを壁に押し付け上に上にと攻め立てた。

やはりつくしの中は強烈だ。

俺の全てが飲み込まれる光悦に支配される。

俺はそれに逆らおうとするも、飲み込まれる歓びを知った俺は抵抗する力を出せない。

不安定な姿勢で俺にしがみ付きあそこが締まった。

ドクンドクンとつくしの中で波を打つ。

脱力した俺につくしは頬を寄せて唇を押し付けた。

包み込まれている暖かさ。

俺だけが暴走したように思えたが、つくしは俺をじっと見ていた。


目で会話する俺たち。


悪くねぇ。


またもやイカなかったつくしは俺にキスを降り注ぐ。

頬に、鼻に、唇に、

瞼に、耳に、、、髪に。


イキたくないと言い切ったつくしの言葉は嘘じゃねぇ。


となると、女はイカせて満足させるって認識が間違っているって事だ。


いや、それも違う。


イカせて満足する女もいるだろう。

というかそんな女が多いはずだ。

だからあいつらもそれを熱弁した。


ーお前のならどんな女だって満足させられる。

ー宝の持ち腐れだ。



くっくっく、、


あいつら、女の事なら分からねぇ事は無いみてーに話してたけどよ。

そりゃあいつらの好みの女って事だけだった訳だ。


俺の好みの女の事は一切分かっちゃいなかった。


つうかよ、あいつらが連れ込む女は俺にとってみれば虫酸が走る女なんだから、あいつらが相手しない女を俺が気に入るのも理に適ってる。


そう言う意味では立浪のジジイの見る目っつーのは、年取って養ったモンかもしれねー。若い頃は女はそんなモンだと理解してたが、色んな女に手をつけてこんな女もいると理解したみてーな?

それじゃあ、立浪のジジイはあいつらの行く先か?




悪友達を揶揄して笑ってた俺に、つくしはシャワーしようと言ってきた。

だが俺達は繋がって、つくしは俺に立ちながら跨っている。


俺は童心に帰った気分になっていた。


一昨日の失敗を思い出す。


俺たちは繋がったままシャワーになだれ込んだ。


つくしは目を丸くして俺にしがみ付き文句垂れ垂れだ。その口調はさっきより攻撃的で、俺の頭を叩くだけじゃなく髪まで引っ張ってきやがる。

流石に痛かったけどよ、

俺は気分が良かった。


バスルームの壁につくしを押し付け、一枚一枚楽しみながら剥ぎ取った。

その間も俺の頭を叩き続けるつくし。

痛ぇけど、笑いが止まらない俺。

キスをしたらつくしは叩くのを止め、叩いていた手を俺の髪に絡ませてきた。

キスをしながら、つくしの胸を弄る。

柔らかさを楽しみながら、自分のスラックスを足から外した。

器用な事してんなと自分に関心しつつ、足を上げた事で、つくしが跳ねた。


楽しみながらも冷静な俺は、イキたくないと言うつくしの葛藤を知る。

つくしはイケない訳じゃねぇ。

だがイキたくない。


訳分からねぇ、、

だが分からなくもねぇ。


それはつくしだからだ。


つくしの行動は一挙一動見逃さねぇ。

だから小さな動きも見つけられる。

だから心の動きも理解出来る。




シャーーー、、、


「全くぅ、、なんで男って動けなくなる訳?」


脱力した俺をブツクサ言いながら洗うつくし。


「さぁな。けどよ、動けるって事が逆にイキ損ねているってのは分かるぜ。」

「イキ損ねちゃ不味いの?」

「そりゃ残るからな。」

「種が?」

「種って言うなよ。そりゃ種かもしれねーけどよ。」

「だって精子じゃ生々しいじゃん。」

「生々しい上等だろ。誰に遠慮してんだよ。つうか、残るのは精子じゃねーよ。俺のここだな。」


俺は胸を拳でトントンと叩く。


「心臓って事?」

「まぁ、そうとも訳せるな。要はハートだ。ヤッたって気になれないんだよ。」

「ふうん。男ってそういう生き物なんだね。」

「ああ、そうだ。分かってなくて安心したぜ。」

「へ?分かってないから安心なの?」

「そりゃそうだろ。分かってたらそれを教えた人間がいるって事になるじゃねーか。」

「あ、そっか。」

「んで、俺も女の事分かってなかったわ。女ってイカせれば満足するのかと思ってた。」


洗う手を止めつくしは俺を見上げた。


「だろ?」

「う、うん。でも、それで良いって人もいるよ。いるけどさ、、」

「お前はそういう女じゃねーって事だな。ま、確かにな。それで男を判断する女にゃ、こっちもウンザリだ。」


一度目を伏せたつくしは、俺をじっと見て何か言いたげだ。

何だ?


俺は顎をしゃくった。言いたい事があれば言ってみろと。


「司はさ、そんな人と付き合ってたの?」

「は?」


バスルームに響く声につくしは驚いたようだった。


「え、だって、付き合ってたからそんな人達をウンザリするんでしょ?」

「そう捉えられるか?そう思うのは俺のダチから聞かされる話での事だ。
女はこうだ。だからお前なら満足させられる。お前は宝の持ち腐れにしているとかよ、、あいつらは女を取っ替え引っ替えだからな、女を相手しない俺にいつも文句ばかりなんだよ。」

「そんな友達いるの?」

「ああ、幼馴染だ。」

「女を取っ替え引っ替え?何ソレ。嫌な男。」

「そう聞こえるか?」

「そうとしか聞こえないよ。最低男だね。司、なんでそんな男と友達でいるの?」

「なんでって、、」

「洗い終わったから流すね。」


話の途中だが、つくしはシャワーのベッドに手を伸ばした。つくしには流すような話なのかもしれない。


「お、待て。お前も洗ってやるよ。」

「もう復活したの?早っ。」

「満足度も高いと復活も早いんだよ。ほれ洗うぞ。」


ソープを手で泡立て、俺はつくしを洗い出した。


「手つきが厭らしい。ちょっと!そこイジる必要ないよ。もう2回もヤッたでしょ。」

「3回目は駄目なのかよ。お前、余裕あるんじゃねーの?」

「余裕はあっても、やり過ぎは駄目!あたしはそういう女じゃないんでしょ。」

「そうだけどよ、、」


泡の摩擦が溜まらなくてイジるなと言われても手を離せねぇ。

そして言葉では拒むくせに揉まれてるつくしにも変化があった。


「じゃ、せめて声を聞かせろよ。」


つくしを引き寄せて耳の近くで呟く。

俺の膝につくしを跨らせて後ろから胸や陰部を指で攻め立て、耳は甘噛みした。


つくしの息が上がって行く。


陰部を攻める指が温かい水を掻き出す。

泡まみれの俺たち、シャワーのお湯は止まったままだ。



つくしが小刻みに震えている。


首を振り何かに抵抗しているみたいに見えた。



「我慢するだけ長くなるんだぜ。どうすれば止まるか分かるだろ。」


振り返ったつくしは凄えエロかった。

それだけで俺は強火の着火だ。

勢いあり過ぎて痛ぇ、痛ぇ。


震えながら、俺の腕を掴み俺に突き刺さりに腰を落とした。


つくしの鳴き声がバスルームに響く。


と、同時につくしの手が俺の腕から滑り落ちつくしの身体が離れようとしたのを俺はキツく抱きしめた。


またつくしが鳴いた。


その声が俺を煽るが、泡のせいで上手く動かせねぇ。

俺はシャワーのコックをひねり、お湯を一浴びして素早くコックを戻した。


そして打ち付ける。


つくしはさらに鳴き、その声は俺を後押しする。


イカせてぇ。

俺のペニスでお前をイカせてぇ。


お前にとって唯一の男になりてぇ。



つくしは俺の目の前で脱力した。


その脱力感は俺以上だった。


正直生きてるかと心配しちまったくれーにだ。


シャワーで体を流しても、

タオルで拭いても、

成されるがまま。

動けねぇつくし。


そのままベッドで横になり、抱きしめて額にキスしたら、ふにゃっと笑った。



「お前をイカせるとこうなるんだな。それとも3回目だからこうなったのか?」

「違う。」

「1回目でもそうなるか?」

「たぶん。」

「そうか。」

「つかさ。」

「何だ?」

「このまま寝ていい?」

「おう、いいぞ。」

「側にいてね。あたし素っ裸だからいなくなったら恥ずかしい。」

「くっ、安心しろ。朝までこのままだ。」

「あり、がと、、、」



寝入ったつくしにひとりごちる。


真っ裸で恥ずかしいのかよ。んじゃ俺は何なんだ?


けどま、側にいろか。こんな我儘は溜まんねぇな。

お前からもっと我儘言われてぇ。



そんな思いを抱いて俺は目を閉じた。




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昨夜も仲良くしたのよとサラッと書くつもりが濃厚に。そんでつくしちゃんイカせちゃったよ。おいおいおい、、

こんな私ですが応援して下さい。
イベリス cm(2) tb(0)
イベリス 20
2017-07-13-Thu
「久しぶりだな司君。そこに掛けなさい。」


花沢物産社長室、

類の親父はこう切り出して来た。


その言い方に、道明寺ホールディングス副社長としてではなく息子の悪友という印象を受けた俺はピクと眉を動かすが、それが狙いとも取れ合わせる事にした。


「お久しぶりです。資料を拝見しました。ご提供ありがとうございます。」

「大きくなったな。というより歳を取ったという方が正しいか。流石に悪ガキには見えない。」

「そんな時もありました。仰る通り子どもでしたから。お恥ずかしい限りです。」

「まだ遊び足りないのか?」

「遊び、何の事でしょう?お言葉ですが遊び回れるほどの時間など私にはございません。」

「ほぅ、、では仕事が忙しくてというのが理由なのかな?」

「理由とは?」


類の親父は笑わない目つきで口角を上げた。


「結婚しない理由だ。」


それは俺に対しての非難だが、同時に俺たちに対するものだという事も理解出来た。

遊ぶには相手がいる。

遊び回ると切り出したのはガキの頃から連んでいた俺たちに向けての事なんだろう。


「その理由は様々です。俺の場合は相手がいなかった。ただ、それだけです。」

「ほぅ、じゃ私のせがれはその理由ではないと?」

「類は類です。俺は類の事情は分かりません。」

「仲間内で話す事はないのか?」

「好んで話す内容ではないですね。」

「それじゃお前達は何を話しているんだ?そろそろ話す内容だと思うんだが。」



蔑むような視線を向け類の親父は笑った。

その表情に不愉快も感じるが、何かが引っかかる。

まさか、、


「彼女の事はあなたも噛んでいるんですか?立浪会長の独断ではないと?」

「ふっ、当然立浪会長の独断だよ。未だにあんな要求をしてくるとは思わなかった。私も父の代にそんな事があったとは聞いているが、その時もリスキーだと認識があった。無くなる方向だと思っていたんだが、、古い人間はなかなか考えを改めようとしない。困ったものだよ。」

「ではなぜ乗ったんです?」

「君はなぜだと思う?」


答えを疑問で返して来るのは交渉の常套句だ。心理学を学んでなくても相手を揺さぶる方法としてよく使われる。


ーそう苛立たなくても花沢社長は分かってらっしゃると思います。ー

西田の言葉が脳裏を過る。

何か知ってるのか?



「そう頭でっかちに考えるな。話は至極単純だ。」

「単純?」

「私は君に何と言った?」

「何って、、」



類の親父の言葉を思い返し俺は驚愕した。


「結婚?」


呟くように出た答えは正解らしい。

だが類の親父は反応しなかった。


「俺に結婚しろという事ですか?俺が結婚したら類も結婚するとでも?」

「そうなるかもしれん。」

「ありえねぇ、、」

「そうか?私にはその兆候が無くもないと思うのだが。」

「兆候?」

「君も結婚しようなど考えてなかったはずだ。・・彼女と会うまでは。」



俺は言葉に詰まった。


「君だけではない、せがれだってそうだ。君が結婚するなどありえないと思っていないかね? そんな君が結婚すれば何かが変わる。何かがな、、」



俺はこの時相反する二つの事を考えていた。

ダチを思えば結婚すべきではない。

だがあいつを知った俺はあいつを手に入れたい。


言葉を続けるのにほんの少し躊躇があった事に苦笑する。


「では変えてみるとします。どう変化するのか俺も知りたい。」


俺も無表情を取り繕い返した。

類の親父が目を細める。


「変化が知りたいだけか?」

「未知の世界ですから。」

「たかだか結婚だぞ?」

「ええ、たかたが籍という空欄を埋めるだけの行為ですね。それだけなのに、同じ欄に埋まった事で相手を支配したがる。自分の所有物だと。」

「なるほど、、言いたい事は分かる。」

「遊びたかったからじゃない。」

「ああ、、」

「俺を支配できる女がいるとは思わなかった。」

「ふ、支配されたかったのか?」

「かもしれない。それも未知だ。」

「素直に言えないか。可愛げがない。」



可愛げか、、この俺にそんなのあっちゃ気持ち悪ぃだろーがよ、、

俺はニヤリと笑った。



「それじゃあおじさん、もらった資料の中身を変えてくれよ。」


敢えておじさんと呼んでみた。

類の親父は一瞬意表を突かれたが、すぐに理解する。


「資料とは?」

「俺をここに呼んだ資料だ。立浪の爺さんのサインが入ったヤツ。爺さんのサインが気に入らねぇ。」

「ふ、君が気に入らなくてもそれなりに利用価値はあるぞ。」


答えようと口を開きかけて気づく。

類の親父が俺を見ている事を。


「それで俺を動かすおつもりですか?」

「動いてくれそうだからな。」

「何をやれと?先ほどは結婚だったと思うのですが?」

「そうだよ。だから早く結婚してくれ。いい歳した未婚のせがれがいるのは君たちが思っている以上にうるさいんだよ。だからせがれをパリに行かせた。結婚するかパリに行くかどっちかにしろと言ったら、迷わずパリに行ったよ。」

「なら、解決したのでは?」

「いつまでも使える手ではない。」


俺は呆れたように頷いた。

ガキの頃は恐れていたはずの類の親父、だが今の親父は単に子どもに手を焼く駄目親父じゃねぇかと。

まぁ、その手を焼く子どもがあの類なら誰でもそうなるかもしれねぇ。


そんな時ひとつの仮定が頭を過る。


もしかしたらあいつなら類を変えられるかもしれないと。


この考えをこの親父が知ったらどう思うだろう。俺は内心笑っていた。




「ならそれこそ結婚するのにあのサインが邪魔な事は理解してもらえませんか?あれがあるから彼女は表に出ようとしない。」

「表に?」

「分かってねぇ爺さんは出会いのひとつだと言っていたが、爺さんの孫はそう思わねぇだろう。俺に刃向かうならまだしも、馬鹿な女は事を余計ややこしくする。おじさんに楯突こうとするかもしれねぇ。」

「良いだろう。確かにこのままリスクの状態で置くのは私としても不本意だ。彼女の立場を復活させる。」

「復活?」

「今彼女は休職中だ。そして花沢で監視している状態にある。それを君に引き継いでもらう。」

「俺に?」

「道明寺に引き抜くんだよ。ヘッドハンティングして華々しく表に出すと良い。彼女はスマート(賢い)だ。」

「ありがとうございます。ではそれを持って帰りたいと思います。」

「くくく、随分急かすな、、、そこまで彼女を気に入ったか。」

「そりゃあ、追いかけたくらいですから。」

「ふ、困った爺さんも見る目はあったみたいだな。どうせならせがれの相手も見つけて欲しいくらいだ。」

「それは俺が伝えますよ。彼女の事でまた会わなければならない。」

「そうしてくれ。」


頭を下げた俺はまた内心ほくそ笑んだ。

親父さん、その見る目がないからてめぇのガキに振り回されるんだと。



類は余計に結婚しようとしないだろう。

おそらく類もあいつを気に入る。

気に入ってどう行動を起こすかまでは予想もつかねぇが、

手は出させねぇ。あいつは俺のもんだ。



化石ジジイが横入りして出会った俺達。

ひょっとしたらあいつの相手は類だったかもしれねぇ。

だが国内にいなかったのが分かれ道だ。

帰国して後悔するんだな。

そして勝手に親子喧嘩を始めてくれ。

何で余計な事をしてくれたんだとよ。







***



花沢物産を出た俺は会社に戻らず邸へと向かった。


仕事は残っているが、問題を解決した事をあいつに一刻も早く伝えたかったからだ。




バンッ


だが勢いよく部屋に入った俺は目撃したのは眉間に皺寄せながら、カードを持ったまま驚くつくしの姿だった。


どうしたつくし、驚かせ過ぎちまったか?

ん、何かしてたのか?


パタパタパタッ


その時テーブルの上に立てられていたカードが崩れ落ちた。



「ああっ! もう崩れちゃったじゃない。」

「いや、今のは俺のせいじゃないだろ?」


入ってからカードが倒れるまで間があったぞ。


「あんたのせいよ!って、、あ、あれ? 仕事もう終わりなの?」



ラグにぺたんと座り俺を見上げるつくしが可愛くて、ドヤ顔が作れねぇ。


「ほら、コレ取ってきたぞ。」

「コレ?」


書類を開けてみたつくしは目を真開く。

くく、予想通りの反応だな。


「ど、どうしたのコレ?!」

「花沢社長が寄越してきた。それでちっと話してきたわ。」

「は、話って?」

「コレを無効にする。」

「へ?」

「コレは花沢側が持ってたヤツだ。そしてもう一部が立浪側にある。だからこのままだとお前だけでなく花沢側もリスクを背負う事になる。話し合いで俺達の思惑は一致したぜ。」

「俺達って?」

「あ?惚けんなよ。俺とお前、そして花沢物産に決まってんだろ?」

「え、、良く分からないよ。てゆーか、つかさあたしが花沢物産の社員って知ってたの?」

「それは今朝知った。社長からお前の書類をもらったからな。」

「社長から?な、なんで?」

「この件を解決したいんだろ。」

「解決?解決って何? あた、あたしは会社からの命令で動いていたんじゃないの?」

「あー、それはそうだぜ。花沢社長が立浪会長から打診されお前を当てがった。だが一方で花沢社長はこの打診を容認した訳じゃない。立浪会長の腹の内を探りそれなりに計算があったんだ。」

「計算、、」

「それでお前もいつかは解放する気でいた。お前でなくてもこんな命令、スキャンダルでしかない。バレたら花沢は社会から抹殺されるぞ。」

「抹殺、、」

「じゃあ何でって言いたそうだな。それは相手が化石ジジイだからだ。あのジジイはこんな方法もまだ使えると思ってやがる。そのジジイを無視するのは簡単だが、ビジネスではそう無視も出来ねぇんだよ。賢い奴は適度に付き合って流すのさ。花沢社長はその対応をした。」

「じゃあ、あたし、、これからどうなるの?」


気が抜けたのかつくしはへなへなとラグに手をついた。

俺はそんなつくしの側にドカッっと腰を下ろす。


「だからこの内容を変えるんだ。お前は花沢物産を退社して他の企業の所属になる。立浪にとって花沢より厄介なとこにな。」

「厄介? え?どこ? あたしの受難はまだ続くって事?」

「受難って言うなよ。傷つくじゃねぇか。」

「へ?」

「分かんねぇの?」


やっとドヤ顔になった俺を見てつくしも気付いたらしい。


「まさか、、」

「おう。明日から一緒に出勤するぞ。何、初日からこき使わねーって。」

「それは良いんだけど、、」

「何だよ。それともランドリーの方が良いのか?」


つくしはピクっと反応する。

表情がコロコロ変わるこいつだがよ、この顔は面白すぎんぞ?





**


理由を聞いたら呆れるしかねぇ。

それってお前、自滅してんじゃねーか。

それによ。


「んじゃ何か?俺はひとりでベッドで寝てシミを作った事になってるのか?」

「へ?」

「そうだろ。流石に使用人でもあれのシミってくれー分かるだろ。お前の言い訳だと俺が夢で爆発したって事にならねぇか?」


口をパクパクさせて、目を泳がせるつくし。

そこまで考え付かなかったんだろーけど、その顔は面白過ぎる。


「くくくっ、、くっ、ははははは。」

「うー、、ごめんなしゃい。」

「はははは、、もう、お前、邸で働くな。お前が邸で働いたらややこしくなる。」

「働きたいだけなのにぃ、、」

「だったら、俺と一緒に働けばいいだろ。それで万事解決だぜ。」


俺は立ち上がってつくしに手を差し出した。


つくしは俺を見上げている。

あーその目はヤベェ。早く立ち上がらないと襲うぞ!


そんな雰囲気を感じたのか、つくしは俺の手を取り立ち上がった。



「ん。よろしくお願いします。つかさ社長。」


違ぇし。

だが、ニッコリ笑うつくしが愛しくて俺はその時訂正出来なかった。






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つくしが花沢社員でありながら、司へのハニートラップをした理由を書きましたが、こんな事本当にある訳ないよね。
つくしのハニートラップから膨らませた設定なんでかなりのかなりの無茶設定です。
でもブラック企業とかの馬鹿上司ならあったりするのかな?
週刊誌とかのハニートラップを聞く限りでは写真に写るまでみたいだし。
そんなリアルなドロドロは私には書けません。
さて、ハニートラップから抜け出したのでお話はあとちょっとになります。

多分ね。
イベリス cm(1) tb(0)
イベリス 19
2017-07-11-Tue
朝シャワーを浴びて、スーツに着替える。

これまでは淡々とこなしていた事だが、


今朝は見ているだけで飽きない女が側にいる。


見ているだけでも飽きないが、

ちょっかいを出すと期待以上の反応を見せるため、俺はついつい調子に乗ってしまった。


シャワーから出て見れば、洗顔の真っ最中らしくバシャバシャとゆすいでいる。

顔を上げた瞬間をスマホで撮れば、

驚いて振り返り、それも激写。

そして怒り、また激写。


スマホを奪おうと詰め寄るも、濡れるだろと言っただけで急停止するように両腕を突っ張って固まり、俺はまたまた激写。

笑いが止まらねー俺に、

上目遣いで睨むつくし。

ぼたぼた水が垂れて服が濡れていくのも堪らねぇとまたスマホを向ける俺に、つくしは背を向けた。

だから映ったつくしは背中だったけど、これも俺にはニヤける写真でしかない。

背中を撮ったと思った写真には鏡に映るつくしの表情が、、

頬を膨らませながらも笑ってやがる。

それは俺の撮影を阻止した事への笑いかもしれねぇな。



そんなつくしを置いて仕事になんざ行く気になれねぇが、無表情の秘書はそんなの知ったこっちゃねぇと激しくドアを叩きやがる。

いや、この叩き方は棺桶に片足突っ込んでる妖怪ババアの方だな。



ドアを閉めるとつくしの叫び声が聞こえて来た。


キスをしただけでこの反応、、


俺は笑いが止まらず、タマや使用人の前で大声で笑っていた。




驚く使用人の中にひとり安心したような顏のタマ。

そんなタマの見送りを受け俺はリムジンに乗り込んだ。






「司様。花沢社長から訪問の打診がありました。」

「類の親父から?」

「はい。」

「どう言った件だ?」

「牧野つくしさんの事でしょう。」



秘書は無表情のまま、資料を出してきた。

そこにはつくしの経歴が記されていて、つくしは類の会社の社員だった。

そして立浪のジジイとの契約書も添えられていた。

かなりの機密文書なんだろう。

使われている紙がコピー不可の物と思われた。コピーすれば全面的にぼかされる紙を使用している。



今時こんな契約書が存在している事にただ驚かされ、

そしてこの存在があいつを不安にさせている事だと知り、俺はイラついた。



「最優先させろ。今日中にケリをつける。」

「そう苛立たなくても花沢社長は分かってらっしゃると思います。」

「・・どういう事だ?」

「この手を使われたのは主に立浪会長の世代です。花沢社長からの提案には思えません。」

「その理由は?」

「この手がよく使われていた頃はまだインターネットなど無い時代ですから。噂は所詮耳から広がる範囲。しかし、現代は違います。どんなに徹底したところで漏れるものです。立浪会長のご世代はそれを理解出来ない。その時代を知っているからでしょう。」

「ふん。なら知らしめたらいいじゃねーか。」

「それは花沢社長のご意見を聞いてからにして下さい。」

「案外同じ穴のムジナかもしれねーぜ?」

「表に出されるのは牧野様ですよ。」



痛いところを突かれて舌打ちする俺に秘書は無表情に言葉を続ける。


「午前中はNYからの報告がありますので、それからになります。」

「チッ。報告なんざ後回しで構わねーよ。」

「社内での印象も悪くなりますが、、、牧野様が。」



睨む俺に秘書は一瞬頬を緩め、到着を知らせる。

忠実な犬だがよ、

こういう時にやり返すんだよこいつは。


俺は遊ばれた事で、邸を出る時とは打って変わって苛立ちを隠せずにリムジンを降りた。





***


花沢物産に到着した俺は社長室へと向かう。

そして類の親子関係について思い返してみる。

類の方も俺んとこと同様に良くは無いはずだ。

成人して弱い大人を見てきた分、今の類の親父を見てもガキの頃のような怖さは感じないはずだ。

だが引っかかる。


今、類は国内にはいねぇ。


ひょっとしてつくしは類と何か関係があったのかと思わざるを得なかった。


それで類から遠ざけたのか?

しかし、類にそんな女がいたとは思えねぇ。

パリ行きになっても飄々としてたし、向こうで落ち合っても普通に俺に会いに来ていた。

類も俺に隠していたのか?



確かにあいつは俺に取られた物をずっと根に持っていた。

自分の物を俺に取られると思っていたと考えれば不思議ではない。



だが、、


「もう遅い。俺も気に入っちまったからな。類、残して行くお前が悪ぃ。」



俺は類の部屋を一瞥して社長室へと入って行った。







***


その頃道明寺邸のランドリールームでは、


つくしがランドリーの使用人に嘘を付いていた。


「いえ、あたしはつかさの、、つかさ様の隣の部屋を借りてるんです。」

「白田様は司様の事を司様と呼んでらっしゃるんですか?」

「は!い、いえ、、あの、司さんと呼んでます。」

「ですよね。」


そう答えて使用人はシーツの山を見る。


「ど、どうかしましたか?」


つくしはドギマギして聞いてみた。
嫌な予感しかしなかったからだ。


「いえ、白田様が使われたならこのシーツの中に紛れているのかと。」

「こっ、このシーツですか?」

「はい。邸では多くの部屋があり、使わなくてもシーツは定期的に洗います。ですが、使われてないため洗うといっても簡単に洗濯するんですよ。」

「そ、そうですね。その方が理にかなってます。」

「それでも回収する際には目視で汚れがないか点検するんですよ。もちろん汚れてなくても使われれば洗濯します。そしてそれは分けられるのですが、」

「ですが?」

「それが見当たりません。」


ヒイッっとつくしは飛び跳ねた。

突然のつくしの行動に使用人も驚く。


「な、なんでもありません。驚かしてすみませんでした。」

「は、はぁ、、」


つくしの行動に使用人の何人かは気付いたようだったが、笑いを堪えて平然としていた。堪えきれない者もいたが、いっぱいいっぱいなつくしには気付かれていなかった。


「ちょっと部屋担当の使用人に確認してきます。」

「へ?かっかか確認?!」

「はい。分からないままではこの量を全て洗う事になりますから。」

「あ、あう、ああ、、」


使用人がスマホを手に取り内線をかけようとタップしようとした。

その時、


「ち、ちょっと待って下さい!」


つくしが使用人の手を握りしめ必死な顔で訴えて来た。


「白田様、どうされたんですか?」

「ごめんなさい。嘘です。あたしは司さんの部屋を使いました。隣の部屋を使ったって言うのは嘘、、なんです。」

「あ、そう、、でしたか。でも何故嘘を?」

「何故って、、その、、変な事を勘ぐられるかなと思いまして、、その、、あたしはソファで横になったんですよ。でも、男女が同じ部屋でしたら、そう思いますよね。」

「そうですね。何故別の部屋を使わなかったのですか?」

「ああ、それは、、あ!話をしているうちに眠ってしまったからなんです。眠気に負けてしまいました。」

「そうなんですか。」

「はは、はい。」


なんとか誤魔化せたと思いたいつくしだったが、流石にそんな雰囲気には思えない。


「あの、それで、、その司さんのシーツはあたしが洗って良いでしょうか?」

「え?アレですか?」

「はい。是非!」


それでも食い下がったのは全てはあのシーツのせい。

司の物だと教えられたとたんにシーツに染みがあると言われたのだ。



「すいませんが、ああいう染み抜きには技術が要りますので専従の者にさせさせて下さい。」

「そ、そう、、ですね。はは、こちらこそすみませんでした。」



染みといってもたいして大きくもない染み。


つくしが騒がなければ、気付いた者は限られただろうにそこにいる全員に知られてしまった。


それにランドリーを任される使用人は限られているが、同じ邸で働く者同士の交流はある。

今朝の司の機嫌の良さは目撃してない使用人にも知られていた。


つまりそれは、つくしが白田と名乗る司の恋人だという事が周知されているという事だ。


もちろん知らぬはつくし本人のみ。



その本人はこれからどうしたら良いのかと頭を抱えていた。


全員に見られている事にも気付かずに。



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イベリス 18
2017-07-10-Mon
目覚めた瞬間に分かった。


まず目覚めが良い。

こんな目覚め何年ぶりだ?


そしてありえねぇと笑えた。


そうだろう?

俺は普段真っ裸で眠る。

汗をかいたままのシャツで寝るなんざ気持ち悪くてしょうがねぇし、何よりシャツやスラックスを纏った窮屈さが眠りを妨げるからだ。


だが、昨晩はそんな事全く気にならなかった。

まぁスラックスを履いてはいたが、前は開いていた。ヤッたからな。ヌクためには前を開けないと出来ねぇだろう。

それでもベルトすら外してねぇんだ。脚に当たるバックルが邪魔になるはずなのに、気にならねぇ、、

ありえねぇよ、、、


そしてそんなヌイた相手は俺の腕を枕に寝てやがる。

くく、

気持ち良さそうだな。


ふ、

・・無防備な顔しやがって、、



もっと時間がかかると思った。

だが、呆気ないくれーにこいつは落ちた。


俺が本気になったっつー事も理由だろーがよ、、


一番の理由は相性だ。


俺とこいつの相性は隙間ねーくらいに合っている。

俺はこいつの考えている事が手に取るように分かっていた。

まぁ、観察眼を持ってるから大抵の人間の考えなんざ見抜けるけどよ。

女に関しちゃビジネスに関係しねー限り見る事は無かった。それでも見たくねぇと思ってたしな。


だが、こいつは違う。

ひとつひとつの動き全てが俺を惹きつける。

ひょっとしたらそれこそがこいつの魅力なのかもしれねぇ。

デカイ目にはこいつの葛藤が常に揺らいでいた。

こいつでなければ俺には不快にしか感じない感情だ。

だが俺はその揺らぎが止まると確信していた。

つーか、揺らいでいる中でも止まる瞬間があったんだよ。それが俺には見えていた。


それが俺の目と合った事で止まった。


言葉による刺激もあったかもしれねぇ。


だが、一番は目だ。


目が合って俺達は互いに繋がった。

こいつの中に俺の入る場所が合った事もそうだが、俺の中にある場所はかなり小せぇはずだ。

そこにこいつは難なく入って来た。

小ささなど気にせずに。


繋がって感じたのは、

喜び、

興奮、


そしてありえねぇ事に愛情だ。


この俺が愛情?

他の奴らもそう思うだろうが、この俺様が一番信じられねぇよ。

だがこの感情は正しく愛情だ。

今まで感じた事もねぇからな。


似た感情なら遠い昔にあったかもしれねぇ、、

だがそれは打ち砕かれたものだった。


まだ残ってたんだな。




いや違う。

残ってたんじゃねぇ。


こいつがこじ開けたんだ。

俺の閉じた感情を。



今の俺は潤っている。

こいつにも乾きと言ったが、今はそれが満たされている。だから潤っているで間違いない。


ならこいつは水か?

俺にとってなくてはならない水。



「うう、、ん。」


腕の中の女がむにゃむにゃと口を動かしている。

そこにある水を欲しいと思った。


起こさないようにそっと女の頭から腕を抜く。

そこで腕の痺れに気付いた。

そんなありえねぇにも頬が緩んでしまう。



上から女を覗きこみ、水を飲みに行く。

この水は傾けば飲める水ではない。

俺を意識させねーと出てこない水だ。

だからそこにはまだちょっとしかない。
舌で絡めとらなきゃな、、



あめぇ、、


俺は夢中で吸い続けた。

すると水がどんどん湧き出てくる。


そして、

俺は腹の方での小さな動きに気づいた。

それは俺の動きじゃねぇ。


匂いにも気づく。


口を離して女を見た。

聞く必要はねぇ。

こいつの返事は目に表れる。


ゆっくり女の脚を動かす。

女は俺を熱っぽく見続けていた。



「俺は惚れてなきゃこんな事はしねぇ。」

「リスクがあるから?」

「したくねぇからだ。リスクは俺次第でどうにでもなる。」

「でも、、出来ちゃったらどうするの?あたしは司の恋人にしかなれないわ。」

「恋人ねぇ、、」


こいつの目がまた揺らいだ事で俺は自身を勢いよく突き刺した。

3度目となるそれはこの前の2度とは違い、引っかかりを感じた。

こいつの顔を見ると頬に固さが残っている。戻りかけていたが、俺にははっきりと見えた。



「痛ぇか?」

「ううん。・・びっくりしただけ。」


俺は挿れはしたが動かさなかった。

だが自身には血が集まり波打っている。


「どう、したの?・・・動かない、の?」

「動くぜ。お前の準備が出来たらな。」

「え、準備?どういう事?」

「分からねぇか、、」


まだこいつの目は揺らいでいた。その揺らぎを止めないとな、、


「恋人にしかなれないっていうのは、愛人だと思っているのか?自分の事を。」

「あ、、だって、あたしはそのために動いているから、、」

「それは立浪のジジイとの間だけだろ?俺とはそんな話はねぇはずだ。」

「そう、だけど、、」


こいつの揺らぎが大きくなった。

止めてやりてぇ、、


「つくし。」


名前を呼び、俺はつくしの目を真っ直ぐ射抜いた。

揺らぎを止めるためには強い刺激が必要だ。

それは俺自身の気持ち以外ありえねぇ。


「俺に惚れるのは怖いか?」

つくしの目が真開き、ふるふると顔を振った。

「俺は立浪のジジイより下か?」

つくしは顔をぶるぶると振った。

「じゃあ、何で俺を信じない。俺はお前以外の女を側に置くつもりはねぇ。つまりそれはお前と結婚する気でいるって事だ。」


つくしの目には涙が溜まっていた。

だが揺らぎは小さくなっていっている。


「許されないよ。」

「誰にだ?」

「誰って、、」

「俺の事は俺が決める。お前との事を反対する奴がいるなら、それを排除すれば済む話だ。」

「排除って、、そんな事、、」

「俺には出来る。出来る力があるんだよ。」

「そりゃ、司にはその権力があるかもしれないけど、、」

「権力じゃねぇよ。俺にその気があるかっつー事だ。たとえ権力があってもやる気がなけりゃ使わねぇ。逆に権力なんざなくても欲しいもんがありゃどんな必死な事だってやるんだよ。」

「ひっし、に、、」

「お前にとって俺はどんな存在だ?彼氏か?金持って、セックスして、、違うだろ?お前は俺にどれも求めていねぇ。お前が俺を見たのは俺がお前の事を見ていたからだ。」


つくしの揺らぎが止まった。


「俺もお前が俺を見たからお前を見た。」

「え?あたしが?」

「おう、見てただろ。」

「いつ?え?見てないよ。」

「あ、見てないだぁ?見ていただろうが、最初のあのパーティだ。お前はジジイと話した後に俺の方を見た。そして俯いた。それは俺の事を考えてじゃねーのかよ。」


つくしの揺らぎがまた始まった。

だがこの揺らぎはさっきとは違うやつだ。



が、、


「何?どうしたの?」

「持たねぇ、限界なんだよ。」

「何が?」

「何がってコレだよ!」


俺は堰を切ったように腰を打ち付けた。

つくしの身体が上に上にとズレていく。

俺はそれを止めようとつくしの腰を掴もうとするが、


その前につくしが俺の腕に捕まって来た。

最初の日のように、、



余裕なんてない俺はつくしを見る事しか出来ねぇ。

すぐにイッてたまるか、この快楽に負けてたまるかと思うが、、


つくしの中は攻撃力が半端ねぇんだよ。


全身が引っ張られる。

俺がつくしを喰うつもりが喰われる、、

俺はそうならないように必死で抵抗した。


つくしの目を見ながら。


だが、つくしが柔らかく笑った瞬間俺は負けちまった。


俺のパワー全て取られたような脱力感。



俺はつくしにのしかかるように倒れこんだ。


「重い。」

「ああ、確か今82kgだったな。」

「息づかいも荒いよ。」

「仕方ねーだろ。お前の中半端ねぇんだよ。」

「半端ない、、何が?」

「何がって、、」


よろりと身体を起こしてつくしを見下ろせば、俺とは違って余裕があるみてーだ。


「お前、イかなかったのか?」

「え、、、、う、うん。」

「イけなかったか?」

「え?ど、どうかな?あたしイクとか良く分からなくて、、あっという間だったし。」


その言葉に項垂れる俺。

この野郎、痛いとこ突いてくるじゃねーか。


「つ、つかさ?」

「何だよ。」

「なんか、、お、怒ってる?」

「怒ってねーよ。」

「怒ってるじゃん。」

「怒ってねーって。くそっ。お前があんな事言うからだろ。」

「あんな事?」

「あっという間だったんだろ。」

「う、うん。」


分かってないのにもムカついてしまった。


「それがどうかしたの?」

「聞くな。」

「何で?あ、あたしが怒らせちゃったなら謝るよ。だから教えてよ。」

「お前は悪くねぇよ。これは俺の問題だ。」

「つかさの?」


くそっ。こいつは何でいちいち可愛いんだよ。腹立つぜ!


「つかさ?」

「・・・はぁー、、覚悟しろよ。」

「覚悟?何を?」

「俺にイかされる覚悟だ。お前にも俺と同じ脱力感を味わわせてやる。」

「ひっ。い、いいです。」

「断るんじゃねぇ!」

「だって!イかなくても愛せるもん。イク事ってそんなに大事?イかなきゃ信じられないの?」


思わぬつくしの反論に俺は虚を突かれる。


「いや、んな事ねーけどよ。イけた方がいいんじゃねーの?」

「あたしはイきたく無い!」


その見事な断言に俺は口を開けなかった。


「そ、そんじゃ無理はしねぇよ。」

「本当?」

「ああ。つっか、もう準備しねーとな。シャワー浴びてくるわ。」

「うん。」



スラックスを直そうとして、ポケットの物に気づく。

近すぎると判断してベッドから離れ、


「つくし。」


俺の呼びかけにつくしが顔を上げた。


パシャ


その音に目を丸くする。


「な、な、、やっ、消してーー」


シーツをなぎ倒すように俺に近づくから、俺はさっと手を上げてスマホをガードした。

つまづきながら俺の胸に飛び込むつくし。

ぴょんぴょんと飛び跳ねギャーギャーわめいてやがる。



「良いじゃねーか。んな目くじら立てるなよ。」


つくしの寝ぼけ顏、乱れた服にもニヤニヤしてしまう。


「つかさひとりズルいよ。」

「じゃ、お前も写しゃ良いじゃねーか。」

「あたしも?」

「おう。スマホ、カメラ付いてるだろ?あ、無いやつか。」

「あります!馬鹿にしないでよ。」


そう言ってズンズン隣の部屋に向かうつくし。

部屋の隅をゴソゴソして鞄を取り出した。


んなとこに置くなよ。

って、俺は信用してなかったからしゃーねーか。



鞄からスマホを取り出し、俺に向けるつくし。

クックック、、印籠かよ。


「じゃ、撮ろうぜ。」


そう言ってつくしからスマホを取り上げ、つくしの肩を抱いた。


パシャ



「良いんじゃね?」

「あたし、スッピンなのに、、」

「誰かも見せねぇだろ?」

「そうだけど、、」


スマホを見ながら頬を緩ませるつくしを見て、俺も気分が良かった。



本当、らしくねぇぜ。

知ってっかつくし。

俺は写真嫌いなんだよ。

仕事のインタビューでも撮られたくねぇって枚数を制限してるくれーだ。


そんな俺が自撮りだとよ。


お前がさせたんだぜ?




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初めて同士で上手くいくわけないじゃん。
でもそんな中でもラブにはなるのよ。
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